品質トラブルや業務上のミスが発生したとき、表面的な原因だけを修正しても再発は防げません。 再発防止の鍵となるのが 「なぜなぜ分析」 と 「三現主義」 です。 この記事では、製造業の現場で長年使われてきた問題解決手法を、初心者にも分かりやすく解説します。
なぜなぜ分析とは、問題が起きた原因を「なぜ?」と繰り返し問い続け、真因(根本原因) を特定するための手法です。
一般的には 5回の “なぜ” を繰り返すことで、表面的な要因ではなく、「本当に改善すべきポイント」に到達できると言われています。
1回や2回の「なぜ」では、「作業者のミス」「確認不足」など、曖昧で再発しやすい原因に留まりがちです。
5回繰り返すことで、
・ 仕組みの問題
・ 設備の問題
・ 教育の問題
・ ルールの問題
など、組織として改善すべき本質的な課題 が見えてきます。
① 事実を整理する
発生した現象を、感情や推測を入れずに記録します。
② 「なぜ?」を繰り返す
原因と思われる要因に対して「なぜ?」を問い、深掘りします。
③ 真因を特定する
再発防止につながる“仕組み上の原因”に到達するまで掘り下げます。
④ 対策を立てる
真因に対して、具体的で実行可能な対策を設定します。
なぜなぜ分析を成功させるために欠かせないのが 三現主義 です。
・ 現場(現地):実際の場所へ行く
・ 現物:実際のモノを見る
・ 現実:実際に起きた事実を確認する
机上の議論だけでは、正しい原因にたどり着けません。
現場で事実を確認することで、分析の精度が大きく向上します。
・ 思い込みによる誤った原因特定を防げる
・ 再発防止につながる “仕組み改善” に到達しやすい
・ チーム全体で問題の本質を共有できる
・ 教育・標準化にも活用できる
・ 「作業者のミス」で終わってしまう
・ 推測だけで原因を決めつける
・ 1〜2回の「なぜ」で分析を終える
・ 現場を見ずに会議室で議論する
これらはすべて、真因に到達できない典型例です。
現象:部品の取付ミスが発生した。
・ どうして部品の取りつけミスが発生したのか?
⇒ なぜ?:作業手順に不備があったため。
・ どうして作業手順に不備があったのか?
⇒ なぜ?:部品の容器が変わっていたのに作業手順書は変更されていなかった。
・ どうして部品の容器が変わっていたのか?
⇒ なぜ?:部品が設計変更されていた。
・ どうして容器が変わったのに手順書は未変更だったのか?
⇒ なぜ?:変更時に作業への影響評価をしていなかった。
・ どうして変更時に作業への影響評価をしていなかったのか?
⇒ なぜ?:設計変更時の評価項目に作業への影響確認が入っていなかった。
⇒ 真因:設計変更時の仕組みが弱い(評価項目/内容が不十分)。
⇒ 対策:変更を行う際には、作業に対する影響も検討することのルール化、明文化を行う。

なぜなぜ分析は、単に「なぜ?」を繰り返すだけの手法ではありません。
三現主義と組み合わせることで、再発防止につながる本質的な改善 が可能になります。
品質改善・業務改善に取り組むすべての現場で、今日から実践できる強力な問題解決手法です。
なぜなぜ分析の関連コラムがこちらにもあります。”ハインリッヒの法則” と、 “なぜなぜ分析” と ”三現主義”