防塵・防水規格「IP〇〇」を聞かれたことがある方は多いと思います。 IPコードは、IEC 60529(日本では JIS C 60529)で定義されている防塵・防水規格の国際規格であり、電気機器への粉塵や水の侵入耐性を示しています。
ここでは、IPコードの意味(読み方)と注意点を解説します。
IPコード(Ingress Protection)は、IPコードは、電気機器の筐体が、固形異物や水の侵入、また人が危険な部分へ接近することに対して、どの程度保護されているかを示す規格です。
IEC 60529(日本では JIS C 60529)で定義されており、スマートフォン、監視カメラ、産業機器、車載部品など幅広い製品で使われています。
IPコードは 「IP」+2つの数字で構成されます。
・第1数字:防塵性能(0〜6)
・第2数字:防水性能(0〜9K)
例:IP67
→「6=完全防塵」「7=一時的な水没に耐える」
「K」は主に自動車用電気・電子機器で用いられる追加的な表示で、ISO 20653やJIS D 5020など、車載用途の規格で規定されています。
防塵等級は 固形物や粉塵の侵入をどこまで防げるかを示します。

数字が大きくなるにつれて、モータ内部と外部と繋がるすきまが小さくなるイメージです。
防水等級は 水滴・噴流・水没などにどこまで耐えられるかを示します。

数字が大きくなると、単純に条件が厳しくなってるのではないので注意が必要です。
・1~4は水しぶきのかかりかた、
・5,6はホース噴出する水の量
・7、8は水没
・9は高圧水流(高圧ジェット)
・「数字が大きいほど万能」ではない
IP68だからといって、
・海水に長時間浸けてよい
・高圧洗浄に耐える
とは限りません。
試験条件は規格で決まっており、実際の使用環境がそれを超えると故障します。
・「X」は未評価
例:IPX4
→防水等級4は評価済みだが、防塵は評価していない。
Xの場合は評価がされていないという意味で、保護されている可能性があります。
0の『保護なし』とXの『未評価』は意味が違うので注意してください。

製品のIP等級は、構造設計・材料選定・組立精度に大きく左右されます。
・ガスケットやOリングの選定
・開口部(コネクタ・スイッチ)の防水部品化
・ケーブルグランドの密閉性
・筺体の合わせ面の圧縮率
・長期使用によるシール材の劣化
・水圧による筐体変形の考慮
IP等級は「新品時の試験結果」であり、経年劣化で性能は低下します。
防塵・防水規格「IPコード」は、製品がどの環境で安全に使えるかを判断するための重要な指標です。
ただし、数字が大きければ万能というわけではなく、使用環境に合った等級を選ぶことが最も重要です。
・粉塵が多い環境 → IP5X / IP6X
・雨・水しぶき → IPX4〜X6
・水没の可能性 → IPX7 / X8
・高圧洗浄 → IPX9K(IPX9とIPX9Kで試験水温が違います)
IP表示を正しく理解することで、製品選定の失敗や設計トラブルを大幅に減らすことができます。
IPX9とIPX9Kの違いについては【第2回】「IP68だから安心」は危険。IPコードの本当の意味を解説