ハルバッハ配列(Halbach Array)は、磁石を特定の方向に少しずつ回転させながら並べることで、磁束を片側に集中させ、反対側の磁束を弱める特殊な磁石配置です。 1980年代に物理学者クラウス・ハルバッハによって提案され、加速器・磁気浮上・高性能モータなどで広く利用されています。 この配列の最大の特徴は、磁束の通り道となるバックヨークが不要になるほど、磁束を効率的に利用できる点です。
通常の永久磁石の配置は、N極とS極を対向するような向きに交互に並べるため、磁束は磁石の両側にほぼ均等に広がります。
通常磁石の磁界の方向のイメージ

しかし、複数の磁石を一定角度ずつ回転させて配置すると、磁束分布が大きく変化します。
ハルバッハ配列の磁界の方向イメージ

・磁束が一方向に「押し出される」ように集中する
・反対側では磁束が打ち消し合い、弱くなる
→結果として、片側に強い磁場、反対側に弱い磁場という非対称な磁場が形成されます。
モータでの磁束ループの違い
ラジアルギャップ型のアウターロータモータの場合:
ハルバッハ配列
N極⇒ステータ⇒S極⇒マグネット⇒N極
磁束が磁石内でループを形成し、バックヨークが不要。
従来配列
N極⇒ステータ⇒S極⇒バックヨーク⇒N極
磁束がバックヨーク側にも流れる。
・強磁界側:磁束密度が大幅に増加する
→ショートパス減り、磁束が全てステータ側に向かう。
・弱磁界側:リーケージがほとんど発生しない
→磁気ループが磁石の中で閉じるため、反対側への漏れが極めて小さい。
・同じ磁石量でも得られる磁束密度が高い
→磁束の利用効率が向上する。
・磁気回路の効率向上
→バックヨークが不要となり、構造を簡素化できる。
つまり、ハルバッハ配列は、磁石の性能(Br)を最大限引き出す配列と言える。
ハルバッハ配列は磁石の発生する磁束を最大限に活用することができますので、以下のメリットが期待できます。
小型化・高効率化に寄与
磁束密度を構造的に高められるため、
・小型モータでのトルク確保
・高効率化
・低振動化
最も基本的な構成は、円周方向に磁化方向を回転させた「円筒ハルバッハ配列」です。
例:磁化方向が 0° → 90° → 180° → 270° と順に回転するように配置
→ 内側に強磁界、外側に弱磁界が形成される
モータでは、ロータ外周にこの配列を適用することで、
ステータ側に強い磁束を集中させることができます。

当社では、電磁界シミュレーションを活用しながら設計の最適化を行い、
磁石の性能(Br)を全て活用できるように開発を進めています。
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