お客様から、DCブラシレスモータ(DCBL)の性能に対していただく要求の中に「回転数を上げてください」「トルクもアップしてください」というご依頼をいただくことがあります。非常に悩ましい要求です。
DCブラシレスモーター(DCBL)は、回転時に逆起電力が発生するという特性を持っています。
これは、効率向上に寄与する一方で、逆起電力は電源電圧を超えることはできませんので、高回転数を求める際には制約となる要因でもあり、DCBLの大きな特徴のひとつです。
(逆起電力は回転数に比例して大きくなります。)

トルクを向上させるには、同じ回転数で発生する逆起電力が大きくなるように設計する必要があります。
電流あたりの発生トルクを示すトルク定数は、逆起電力定数(回転数当たりの逆起電力)に等しく、両者は密接に関連しています。そのため、トルクアップと回転数アップの両立は設計上困難を伴います。
実際、お客様からは「回転数もトルクも両方向上させたい」というご要望をいただくことが多くあります。
特性、制御電圧などに余裕があればご希望に近づけることは可能ですが、実際には余裕がないので困っているというのが実際と思います。
また、ご要望の背景を伺うと、確かに納得できる理由があるのですが……
制御面での工夫としては、弱め界磁制御や進角制御などにより、ある程度の改善は可能です。
しかし、トルクと回転数の両方を大幅に向上させるには、電源電圧の引き上げが不可欠となります。